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講 座
第
古 文
6
次の古文と現代語訳を読んで、あとの問いに答えなさい。
いづくにもあれ、しばし旅立ちたるこそ、目覚むる心ちすれ。
そのわたり、ここかしこ見歩 ありき、ゐなかびたる所、山里などは、いと目なれぬことのみぞ多かる。
都へ便 たより求めて文 ふみやり、﹁そのこと、かのことかの便 びん宜 ぎに忘るな﹂など言ひやりたるこそをかしけれ。
さやうの所にてこそ、万 よろづに心づかひせられ、持てる調度まで、よきはよく、能ある人、かたちよき人も、常よりはをかしと見ゆれ。
寺、社 やしろなどに忍 しのびて籠 こもりたるも、をかし。︵﹃徒 つれ然 づれ草 ぐさ﹄より第十五段︶︵現代語訳︶
どこでもよい、しばらくよそで泊 とまったりするのこそ、目が覚めるような心 ここ地 ちがするものだ。
そのあたり、ここあそこを見て回り、ひなびたところ、山里などは、たいそう見なれないことが多くあるものだ。
都へつてをさがしては手紙を送り、﹁そのこと、あのことあのついでに忘れないように﹂などと言い送るのは趣 おもむきがある。
そんなところでこそ、万事につけ自然に気づかいされ、持っている道具類まで、上等な物は上等に、技芸の才能のある人、器量のいい人も、ふだんよりは見事だと感じられる。
寺や神社などに人目を避 さけて泊まって祈 き念 ねんするのも、趣がある。
①
1
②
③
④
⑤
⑥
⑦ 問一 ﹁徒然草﹂の作者を次のうちから選び、記号で答えなさい。
ア 清 せい少 しょう納 な言 ごん
イ 吉 よし田 だ兼 けん好 こう
ウ 紫 むらさき式 しき部 ぶ
エ 松 まつ尾 お芭 ば蕉 しょう
問二 線①﹁いづく﹂、②﹁ゐなかびたる﹂、⑤﹁さやう﹂の読み方を現代かなづかいのひらがなで書きなさい。
① ②
⑤ 問三 線③﹁文﹂、④﹁をかしけれ﹂、⑥﹁かたち﹂の意味を現代語訳の中から書き抜 ぬきなさい。
③ ④
⑥ 問四 にあてはまる言葉として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
ア 恥 はずかしい イ 退 たい屈 くつな ウ おそろしい エ 新 しん鮮 せん
な 問五 線⑦﹁ひなびたところ、山里など﹂とありますが、筆者はふだんはどこにいるのですか。現代語訳の中から書き抜きなさい。
5 5
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この魚の主の家は、ただ一 いっ軒 けんそのことをまぬがれた。それで僧都のもとに参上して、この事情を申し上げた。僧都はそのいきさつを聞いて、ほうびを一着お与 あたえになって、帰された。
問一 線①﹁すすめたりけり﹂とありますが、だれに何を勧めたのですか。次のにあてはまる言葉を文中から書き抜 ぬきなさい。
に、献上された を勧めた。
問二 線②﹁夢に見るやう﹂とありますが、夢に見た内容が書かれているのはどこまでですか。古文中から終わりの五字を書き抜きなさい
。 問三 にあてはまる言葉を書きなさい。
問四 線③﹁そのこと﹂とは、どんなことですか。 問五 この文章の内容に合うものを次のうちから一つ選び、記号で答えなさい。
ア 永超僧都に魚を献上した主は、僧都を悪い者どもから守った。 イ 永超僧都に魚を献上した主は、僧都に代 だい償 しょうを求めた。ウ 永超僧都に魚を献上した家には、大変よいことが起きた。
エ 永超僧都に魚を献上した家には、僧都のところから使いがきた。 ③
次の古文と現代語訳を読んで、あとの問いに答えなさい。
これも今は昔、南 みなみの京 きょうの永 やう超 てう僧 そう都 づは、魚 うをなきかぎりは、時 とき、非 ひ時 じもすべて食はざりける人なり。公 く請 じやうつとめて、在京のあひだ、ひさしくなりて、魚を食はで、くづほれてくだるあひだ、奈 な島 しまの丈 じゃう六 ろく堂 だうの辺にて、昼 ひる破 わり子 ご
食ふに、弟子一人、近辺の在家にて、魚をこひてすすめたりけり。
件 くだんの魚のぬし、後には夢に見るやう、おそろしげなる物ども、その辺の在家をしるしけるに、我 わが家をしるしのぞきければ、たづぬる処に、使 つかひ
のいはく、﹁永超僧都に魚たてまつる所也 なり。さて、しるしのぞく﹂といふ。
その年、この村の在家、ことごとく、えやみをして、死ぬるものおほかり。此 この魚のぬしが家、ただ一宇、その事をまぬかる。よりて僧都のもとへ参りむかひて、このよしを申 まうす。僧都、此よしを聞 ききて、かづけ物一 ひと重 かさね、たびてぞかへされける。︵﹃宇 う治 じ拾 しゅう遺 い物語﹄より巻四の十五︶︵現代語訳︶
これも、南の京︵奈 な良 ら︶の永超僧都は、魚がない限りは、午前の食事も、午後の食事もすべて食べなかった人である。朝 ちょう廷 ていの法 ほう会 え
の講師を務めて京都にいる期間が長くなって、魚を食べないで衰 すい弱 じゃくして戻 もどる途 と中 ちゅう、奈島の丈六堂のあたりで、昼食の弁当を食べるときに、弟子の一人が、近くにある家で、魚を求め勧 すすめた。
その魚の主がのちに夢に見ることには、おそろしげな者どもが、そのあたりの家に印をつけたのに、自分の家に印をつけなかったので、尋 たずねたところ、使いが言うことには、﹁永超僧都に魚を献 けん上 じょうしたところである。そういうわけで、印をつけない﹂と言う。
その年、この村の家、ことごとく疫 えき病 びょうにかかって、死ぬ者が多かった。
2
①
②
5 10
5 10
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練
習 問
題
5 10
15 20
次の古文を読んで、あとの問いに答えなさい。
人の物ともせぬ所にまとひありけども、なにの験 しるしあるべくも見えず。家の人どもに物をだに言はんとて、言ひかかれども、ことともせず。あたりをはなれぬ君 きん達 だち、夜をあかし、日をくらす、多かり。おろかなる人は、﹁用なきありきは、よしなかりけり﹂とて、来ず成 なりにけり。
其 その中に、なほ言ひけるは、色好みといはるるかぎり五人、思ひやむ時なく、夜昼来ける、その名ども、石 いし作 つくりの御 み子 こ・くらもちの皇 み子 こ・右大臣阿 あ倍 べのみむらじ・大 だい納 な言 ごん大 おお伴 ともの御 み行 ゆき・中納言石 いその上 かみの麻 ま呂 ろ足 たり、此 この人々なりけり。
世 よの中 なかに多かる人をだに、すこしもかたちよしと聞きては、見まほしうする人どもなりければ、かぐや姫を見まほしうて、物もくはず思ひつつ、かの家に行きて、たたずみありきけれど、かひあるべくもあらず。文 ふみを書きてやれども、返 かへり事 ごともせず。わび歌など書きておこすれども、かひなしと思へど、霜 しも月 つき・師 しはす走の降りこほり、水 み無 な月 づきの照りはたたくにも、障 さは
らず来たり。
この人々、ある時は、竹 たけ取 とりをよび出 いでて、﹁娘 むすめを、吾 われに賜 たべ﹂とふし拝み、手をすりのたまへど、﹁をのが生 なさぬ子なれば、心にも従はずなんある﹂と言ひて、月日過ぐす。かかれば、この人々、家にかへりて、物を思ひ、祈 いのりをし、願を立つ。思 おもひ、やむべくもあらず。﹁さりとも、つひにをと
こ
婚 あはせざらむやは﹂と思ひて、頼 たのみをかけたり。あながちに、心ざしを
*1 もこる見をできないと。 をかぐや姫姿、がたきてっやにの聞婚うわ求さ男のく多、ていが うんこゅきめひ
1
a
*2*3
*4
A*5*6
①*7
B
*8②
b*9
③④*
10
⑤*
11
c
*12
C
*13
d⑥⑦
*14
⑧
*15
*16
⑨*
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見えありく。︵﹃竹取物語﹄︶
*1まとひありけども=さまよい歩いたが。
*2君達=貴公子たち。
*3おろかなる人=あまり熱心でない人たち。
*4用なきありきは、よしなかりけり=無用の歩き回りは無 む駄 だだった。
*5言ひけるは=言い寄ったのは。
*6色好み=恋 こいの道の達人。
*7見まほしうする=妻にしたいと思う。
*8たたずみありきけれど=あちこち場所を変えて立ちつくすが。
*9わび歌=思いの苦しさを訴 うったえる歌。
*
10氷もにきとるはがり降降が雪=りほこり。
*
11つもにのくめらひり鳴が雷けり照照が陽太=もにくたたはり。
*
12賜べ=ください。
*
13見すでのるいでいなわ従もに意心の私=るあんなずは従もに。
*
14つひに=最後まで。
*
15婚かうろあがとこいなせさ。婚結=はやむらざせは んっけこ
*
16あながちに=無理算段をして。
*
17をる回き歩にうよるけつせ見さ心深のい思=くりあえ見をしざ。
問一 線A﹁なほ言ひけるは﹂、B﹁見まほしうて﹂、C﹁のたまへど﹂の読み方を現代かなづかいのひらがなで書きなさい。
A
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B
C 問二 線a﹁ことともせず﹂、b﹁返事もせず﹂、c﹁来たり﹂、d﹁言ひて﹂の動作主として最も適当なものを次のうちから選び、それぞれ記号で答えなさい。
ア 求婚者たち イ 竹取の家の人たち ウ 竹取 エ かぐや姫
a b c d 問三 線①﹁だに﹂は、軽いものを挙げて、より重いものを類推させる言葉ですが、ここで⑴軽いもの、⑵重いものとは、それぞれ何ですか。現代語で書きなさい。
⑴
⑵ 問四 線②﹁かひ﹂と同じことを意味する言葉をここより前の文中から一字で探し、書き抜 ぬきなさい。
問五 線③﹁霜月﹂、④﹁師走﹂、⑤﹁水無月﹂は、それぞれ陰 いん暦 れきの何月ですか。
③ ④ ⑤ 問六 この古文を現代語訳する際に、 線⑥﹁月日﹂、⑦﹁この人々﹂、⑧﹁をとこ﹂のあとに助詞を補うとわかりやすくなります。それぞれ適当なひらがな一字で答えなさい。
⑥ ⑦ ⑧ 問七 線⑨﹁あながちに、心ざしを見えありく﹂とありますが、これは何をしているのですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
ア 腹を立てて、怒 いかりをぶつけている。 イ 望みを捨てないで、自分を売り込 こんでいる。 ウ 思いを断ち切って、別れのあいさつをしている。エ 苦しみが高じて、自分を辱 はずかしめようとしている。
問八 次のうち、この文章の内容と合うものを一つ選び、記号で答えなさい。 ア 竹取は、貴公子たちの思いがどの程度のものであるか、確かめようとした。イ かぐや姫は、家の人たちを通じて、貴公子たちの求婚をすべて断った。
ウ 貴公子たちはなかなかかぐや姫に会えず、代表者五人を送り込むことにした。 エ 貴公子たちはさまざまな手を使ってかぐや姫に近づこうとしたが、だれも成功しなかった。